第0課 つづりと発音の確認|ポイント#
ポイント#
本課では、会話文には入らず、フランス語学習の土台となる**つづりと発音の基本ルール**だけをまとめて確認する。ここでの内容は、第1課以降のすべての課の音読・リスニングの前提になる。
I. アルファベットの読み方#
名前や単語のつづりを口頭で確認するときは、1文字ずつフランス語のアルファベット読みで発音する。例えば Paul は「ペ・ア・ユ・エル」(P-A-U-L)のように読み上げる。全26文字の読み方の一覧は理論編・発音編6章「アルファベット」参照。
つづりにアクサン記号がある文字を伝えるときは、「文字名+記号の名前」で言う。
| 記号 | 名称 | 言い方の例 |
|---|---|---|
| é | アクサンテギュ | e accent aigu |
| è / ê | アクサングラーヴ/シルコンフレックス | e accent grave / e accent circonflexe |
| ç | セディーユ | c cédille |
II. 母音字の読み方の基本パターン#
フランス語の母音字は、日本語の母音とは音の作り方が異なるものがある。特につまずきやすい点をまとめる。
- u [y]:唇を丸めて突き出しながら「イ」と言う、日本語にない音(tu, sûr)。
- ou [u]:唇を強く丸めた「ウ」(vous, où)。
- é [e] と è [ɛ]:同じ「エ」でも、é は口をあまり開けない狭い音、è は口を大きく開けた広い音になる。
- 鼻母音(an, in, on, un など):母音の後ろに n / m が続き、その後に母音が続かない場合、n / m 自体は発音せず、母音だけが鼻に抜ける音になる(Bonjour の on はこの音)。
母音の詳しい一覧は理論編・発音編1章「母音」参照。
III. 子音字の読み方の注意点#
同じ文字でも、後ろに続く母音字によって発音が変わるものがある。
| 文字 | e, i, y の前 | a, o, u の前 |
|---|---|---|
| c | [s](cinéma) | [k](coca) |
| g | [ʒ](genou) | [g](gâteau) |
そのほか、ch は「シュ」[ʃ](英語の ch のような [tʃ] にはならない)、gn は「ニュ」[ɲ]、語末以外で母音に挟まれた s は[z] と濁る(maison)といった点に注意する。子音の詳しい一覧は理論編・発音編2章「子音」参照。
IV. つづり字と発音の対応#
語末の子音字は、c, r, f, l 以外は読まないのが原則である(porc の c、début の t は読まない、など例外もある)。また、語末の母音字 e も読まない。アクサン記号は強勢の位置を示すものではなく、母音の音質や単語の区別を示す記号である点に注意。詳しくは理論編・発音編3章「綴り字と音の対応」参照。
V. リエゾン・アンシェヌマン・エリジオン#
複数の語をつなげて発音するときの3つの現象は、フランス語らしい発音の要である。
- エリジオン:je, le, la などの1音節語が母音(または無音の h)で始まる語の前に来ると、語末の母音字が省略される(je habite → j'habite、第1課参照)。
- アンシェヌマン:もともと発音される語末子音が、次の語の語頭母音とつながって発音される(il est ici → イレティシ)。
- リエゾン:ふだんは発音しない語末子音が、後ろに母音(または無音の h)で始まる語が来たときだけ発音される(les amis → レザミ)。
詳しくは理論編・発音編4章「音の連結」参照。